
再生町屋で癒しの時間
里山で田舎体験

里山で田舎体験
京都府観光連盟の専務理事を務める等、長く観光行政に関わる。
ふる里・綾部に帰郷後は、長年の経験を活かして地元の観光振興に尽力している。
*綾部市観光協会 Web http://www.ayabe-kankou.net
綾部市ってどんなところですか?
足利尊氏が生誕したと伝わる「安国寺」や800年の歴史を持つ「黒谷和紙」、京都府北部の建造物で唯一の国宝に指定されている「光明寺二王門」、私市円山古墳などがあり、歴史的にもとても古い地域です。「グンゼ」の発祥の地であり、明治以降は産業の町として発展しました。
最近ではいわゆる限界集落を「水源の里」として、「上流は下流を思い、下流は上流に感謝する」を合い言葉に、再生と振興に取り組み、都市部との交流を積極的に行っています。移住者も多く、都会から訪れた人にほっとできる「ふる里あやべ」を感じてもらえるように頑張っています。


西村さんがおすすめする、
綾部の楽しみ方を教えてください。
JR綾部駅周辺の市街地は「グンゼ」の繊維産業の発展とともに栄えた場所で、今でも古い町家が至る所に残っています。こうした古い町家を改装した食事処や菓子屋が「あやべ町家倶楽部」として連携し、新たな活気も生まれています。また、出張で訪れる人が多かったことから老舗の料理旅館が今でもたくさん残っています。工場に働きに来ていた人が里帰りする際にお土産を買って行ったことから、和菓子店が多いのも綾部のまち並みの特徴なんですよ。
街の南側には明治25年に綾部で開教した「大本」の神苑があり、秋には紅葉に染まった庭園を舞台としてライトアップされる「綾部もみじまつり」が開催されます。大本通商店街にも行灯が並び、おすすめの季節です。
一方、農村部では、二王温泉、ホタルの里として知られる「上林」や七不思議の伝説が残る「志賀郷」など、自然あふれるほっこりとした場所がたくさんあります。地元の人とのふれあいや里山の素晴らしさを味わってもらうために、農家民宿にも力を入れています。「ようきなったな」と人情味あふれる所が綾部の魅力だと感じていますので、これからはふれあいを大切にした体験型の観光に力を入れていこうと考えています。







平成26年度末には京都縦貫自動車道が全線開通し、
京都市内からのアクセスがよくなりますね。
今年度は舞鶴若狭道が北陸道とも接続し、京都縦貫自動車道と舞鶴若狭自動車道が交差する綾部にとって、人を呼び込む大きなチャンスだと思っています。通過点でなく観光客の方々に立ち寄ってもらうため、都市交流拠点施設となる「あやべ特産館」が5月下旬にオープンします。これは隣接するグンゼ博物苑や綾部バラ園などと一体的な整備を進めるもので、同区域を「あやべグンゼスクエア」と総称して、特産品の紹介や情報発信を通じて、観光客にアピールしていきたいと考えています。今まで綾部には観光拠点と呼べる場所がなかったので、これを契機に少しでも多くの人に綾部の魅力を知ってもらいたいと思っています。また、車でお越しになる方にとっては、バスが停められる駐車場もできますので、ぜひまち歩きの拠点としても活用してください。
今後の観光の魅力づくりについて、
最後に教えてください。
今後は先にふれましたように体験型の旅行で、綾部に訪れる人を増やしていきたいと考えています。里山体験はもちろんのこと、丹波富士と呼ばれる弥仙山(みせんさん)には約10キロの散策道があり、トレッキングコースとしてもっとPRすれば、新たな観光客が見込めるはずです。さらに北近畿の産業拠点である工業団地とも連携して、工場見学ツアーと言った企画を考えるのも面白いと思います。たくさんの方に訪れてもらえるように、これからも綾部の魅力をどんどん発信していきます。
(取材:平成26年2月)

