光秀ゆかりの福知山城と
ドッコイセのまち

福知山観光協会 会長
福島 慶太さん    ふくしま けいたさん

地元で書店、リサイクルショップ等を経営する傍ら、
地元に少しでも恩返ししたいと観光協会の会長も務める。
*福知山観光協会 Web http://www.dokkoise.com

福知山市の見所を教えてください。

JR福知山駅周辺の中心部は城下町として栄えた土地で、町のシンボルである福知山城をはじめ、今もかつての名残りが各所に残っています。また、平成18年に1市3町が合併したことにより、さらに魅力ある町として生まれ変わりました。安産祈願の神様「大原神社」がある三和町、大江山の鬼伝説や元伊勢三社で知られる大江町、農匠の郷・玄武岩の夜久野町と、自然豊かな場所もたくさんあります。現在は城下町である中心街と農村部が連携して、広域な観光振興に取り組んでいます。

福知山は北近畿の玄関口で交通の要所でもあることから、天橋立や城崎温泉などに訪れる観光客のみなさんに立ち寄ってもらうため、特色のある観光地づくりを行っています。

最近では明智光秀ゆかりの地として
PRされていますよね。

福知山の城下町は、戦国時代、織田信長の命によって丹波を平定した明智光秀によって基礎が築かれました。光秀と言えば、「逆臣」とのイメージが強く、敵役として扱われることが多いですが、地元では好意的に捉えている人がほとんどなんですよ。地元の高校生にとったアンケート結果でも、「光秀が好き」と答えた生徒が95%もいました。というのも、度々氾濫を起こして民衆を苦しめていた由良川の治水に貢献したり、税金を免除するなどの善政を敷いたことから、名君として尊敬されているんです。その時の治水堤防は「明智薮」と呼ばれ、今でも残っています。
「御霊神社」は地元民の光秀愛を一番よく分かってもらえる場所。江戸時代、光秀を祀りたいと願い出て、ようやく没後約100年が経った後、幕府から許可をもらうことができたそうです。当時、「逆臣」である光秀を祀ることはもってのほかで、この話だけでもいかに慕われていたかが分かります。

こうした光秀の人柄を知ってもらうため、観光協会では『忍たま乱太郎』の作者である尼子騒兵衛さんに依頼して、『光秀くんとひろこさん』というイメージキャラクターを作成しました。「NHK大河ドラマの主役にしよう」と、京都府、兵庫県の近隣11市町が連携して協議会を設立し、広域的な観光を進めるなど、少しでも光秀の人柄を知ってもらい、イメージアップにつながるように努めています。

光秀ゆかりの地を巡るおすすめコースは?

光秀ゆかりの地を巡ってもらうため、福知山城をスタートして、レトロな商店街や御霊神社などを巡る周回コースを整備しました。観光協会に申し込めば、ガイド案内も受け付けています。お城のすぐ隣りには、福知山城周辺賑わい創出施設として、個性あふれる7店舗が集う「ゆらのガーデン」が平成24年にオープンして、散策のお立寄りスポットとして人気ですよ。また、世界一に輝いたパティシエや全国的に知名度の高い菓子店など、福知山にはたくさんのスイーツがあることから、「福知山スイーツ」と題してスイーツマップを作るなど、和洋菓子のスイーツ店もPRしています。ぜひ散策がてらに立ち寄ってください。

今後の観光について聞かせください。

城下町の魅力を中心にお話ししましたが、福知山の観光にとって「農山村資源」も大きな要素だと考えています。最近では修学旅行生を農家にホームステイさせる「修“農”旅行」が多くなっているそうです。その土地でしか味わえない文化にふれてもらう長期滞在の体験型旅行を提案していくことが必要で、「農」と「観光」を結びつけることによって、新たな福知山の魅力を感じてもらえるのではと思っています。

最後に福島さんのお気に入りの
場所を教えてください。

福知山城から見る由良川の景色ですね。私は商店街で生まれ育ったので、中心市街地には特に思い入れがあります。お城から由良川の景色を見ると、幾度の水害にも負けず、城下町を守ってきた町衆の心意気を感じることができます。私にとってのふる里の景色なんです。みなさんもぜひお城に上がって、美しい景色を堪能してほしいですね。

その他にも丹波もみじ寺で有名な秋の「長安寺」や森林浴を楽しめる「二瀬川渓流」など、豊かな自然と素晴らしい景観がいっぱいの福知山にぜひ遊びに来てください。

(取材:平成26年2月)

※掲載している記事の内容及びプロフィールは取材当時のものです。

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