
歌い継がれるふるさとの
暮しを次の世代へ。

暮しを次の世代へ。
今年度から丹波篠山観光協会長に就任されましたが、意気込みを教えてください。
会長に就任するまで6年間副会長を務め、また、それ以前より丹波篠山観光協会に携わってきましたが、合併が大きな転機となって、昔と比べると観光地になったなと感じます。
篠山市は篠山・西紀・丹南・今田と個性豊かな地域で構成されています。全体を見渡しながら、城跡や城下町、丹波焼にとどまらず様々な魅力を広くアピールしていきたいと考えています。


「丹波篠山デカンショ節 民謡に乗せて歌い継ぐふるさとの記憶」が日本遺産に認定されましたが、いかがですか?
デカンショ節では地域のその時代毎の風土や人情、名所、名産品が歌い継がれています。先人から受け継いできた、当たり前の暮しがこのような形で評価されたことは、とてもうれしいことです。
より多くの方に篠山を知ってもらう機会となってほしいです。




酒造会社の代表としてもご活躍中ですが、丹波のお酒の魅力を教えてください。
酒造りは、良い水・良い米・良い杜氏が揃ってないといけません。うちの蔵では、水も米も地元でとれたものを使っており、杜氏たちは日本一と称される腕で、愛情を持って酒造りに励んでいます。
酒造りの時期になると、丹波杜氏は全国へ出稼ぎに行きますが、帰ってきて飲むのはやはり地元の酒です。「やっぱり地元の酒がいちばんうまい!」と言われるような酒造りをしたいですね。
篠山に来られるお客様の大半は車で来られますが、地酒はその土地で飲んでこそ本当のおいしさが解ると思っています。地元の食材や空気感と共にゆっくり楽しんでいっていただきたいので、ぜひ宿泊もご検討ください。
これからの篠山がどのように発展していってほしいと考えますか?
春や秋だけではなく、年間を通して観光客が訪れるようになってほしいですね。
イベント事は、その日しか来てもらえないという印象があるので、もう一度訪れたいと思うきっかけになるような企画も考えていきたいです。
来られた方みなさんに満足して帰ってもらえるよう、受け入れ側の仕組みも含めて検討する時期になってきているのかもしれません。町としては今以上に発展しすぎなくても良いのかなと思います。それよりも、地元の人が楽しんで生活できるような、住みよいまちづくりをしたいですね。
また、新しくお店をはじめる若い世代も増えてきています。篠山を好きになってそこでなにかしようと思ってくれることは、とても嬉しいですね。地域の寄り合いなんかにも積極的に参加して、これからの篠山を支える人が多く出てきてくれることを期待しています。
(取材:平成27年8月)

