観光事業を盛り上げ、交流の活発化を図る。美山町へさらなる活気を!

美山ふるさと株式会社 事業推進課長
大野 琢馬 さん    おおの たくまさん

美山町出身。大阪での大学生活、イベント会社勤務を経て、美山町へUターン。
美山ふるさと株式会社にて、観光事業の推進を行う。
美山ふるさと株式会社WEB http://www.miyamafurusato.com/
自然文化村 河鹿荘WEB http://www.cans.zaq.ne.jp/m-kajika/

大野さんはUターンなんですね。

はい。美山町出身です。大学進学のタイミングで大阪に出て、そのまま大阪でイベント会社に就職しました。大阪にいたのは、約8年ほどですかね。イベント会社での仕事内容に特段不満はなかったのですが、この先ずっと大阪で仕事を続けていいのかと考え始めたんです。もともと都会が苦手で(笑)。せっかく四季のある日本にいるので、春には田植えがはじまり、夏には川のせせらぎが聞こえ、秋には稲刈りの香りが風に乗ってくる、冬には雪の積もる音が聞こえる、そんな暮らしが自分には合っているんじゃないかと思い、美山に帰ることを決めました。もしかしたら田舎であれば、どこでも良かったかもしれません。しかし、実家が四季をしっかり感じられる美山だったので、地元に帰ってきました。

現在はどのようなお仕事を?

自然文化村事業部事業推進課というところに勤務していまして、ここ河鹿荘にて仕事を行っています。河鹿荘のある自然文化村にはキャンプ場、グラウンド、文化ホールなどの施設もあり、その管理・運営を行っています。そのほか着地形ツアーの仕事もしています。商品造成から、パンフレット作成、当日の体験の担当まで。美山町では現在全体的に過疎化が進んでいますが、Iターン者は結構増えています。しかし、私のようなUターン者は多くありません。Iターン者は魅力をわかって美山町へ来ています。それに比べ、Uターン者のように自分が住んでいた地元の魅力っていうのはなかなかわかりにくいと思うんです。僕もそうなんですが、この仕事をするようになって初めて、美山は他の地域と比べて何が違い、何が魅力なのか考えるようになり、少しずつ美山の魅力というものがわかってきた気がします。その魅力をうまく伝えることができれば、Iターン者はもちろん、Uターン者の増加も期待できるのではないかと思います。美山ってこんな素晴らしいところなんだと再認識して帰ってきてくれる。それが定住促進に繋がり、過疎化の歯止めになればいいかなと思います。

美山にはどのような方がお越しになるんですか?

美山へのお客様は年々増えてきているんです。特に海外のお客様が約8割を占めています。雪景色だけのためならこの美山までは来ないと思うんです。美山には雪景色に加え、日本の昔ながらの原風景があります。それをご覧にお越しになる方が多いですね。美山は観光地ではあるけれど足を一歩踏み入れると、地元の方々が暮らしている。おじいちゃん、おばあちゃんが手仕事をしていたり、洗濯物を干していたり、実際の生活の温もりを感じることができるんです。これも誘客の要因の一つになっていると思います。また、最近では教育旅行で美山へお越しになる団体様も多いです。子供が田舎生活を体験することは、今後の人生において非常に役に立つと思うんです。それだけでなく、実は美山町側も活気づくんです。子供が、おじいちゃん、おばあちゃんから生活の知恵などを学びながらおしゃべりをするだけでも、おじいちゃん、おばあちゃん側にとっては、孫とおしゃべりをするかのように生きる活力になっているんです。ここに教育旅行の最大のメリットがあるのではないかと思っています。

今後の誘客ターゲットは?やはり海外ですか?

海外のお客様っていうのは、新たな顧客獲得の可能性を秘めています。現状としましては、アジア圏の方が多いですね。特に台湾のお客様が大半を占めています。今後はさらに欧州の方で文化を学びたいと考えている方にもお越しいただきたいですね。それには、やはり受け入れ体制の問題があります。まず言葉の壁。最低でも観光協会や観光・宿泊施設で働く者は、海外のお客様への接客対応ができるべきだと思います。さらには観光マップや看板、Wi-Fiの整備などが必要ですね。傾向としては、国内のお客様はやはり海外へ行くことが多いようで、だからこそ海外のお客様をうまく誘客していかなくては、誘客人数は落ち込むばかりです。今後、海外に向けてどのようにアプローチしていくか、そして、受け入れ体制をどのように整備していくかが重要になってくると思います。

 

今後の目標は?

当社では、牛乳加工・販売事業、地域特産品・農作物販売事業、定住促進事業、観光・宿泊事業などさまざまな事業を展開しています。所属する観光事業を盛んにすれば、売上は伸びます。でも、私としては、売上だけが目的ではないんです。観光事業を盛り上げることで、この美山町が交流の場となり、活気づいていくことが大切なんです。たとえば、先に述べた教育旅行のように美山へのツアーのお話があれば、体験プログラムは組み込むようにしています。そしてその際、講師役を担っていただいた方々に対しては、必ず対価をお支払いするようにしています。やはりボランティアだと、のちのち足かせに感じてしまう可能性があると思うんですよ。それに対価を支払うのにはそれだけの意味があると思うからです。体験プログラムでは、世代別交流、異文化交流が活発化し、美山町自体に活気が生まれる。これからは、さらなる交流の活発化を図っていきたいと考えています。美山町は自分の故郷でもありますし、大好きな町ですので、どんどん活気づけていきたいです。

(取材:平成28年2月)

※掲載している記事の内容及びプロフィールは取材当時のものです。

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