馬車の利用で、
途切れることのない観光へ!

株式会社 京馬車 御者(ぎょしゃ)
金子 あゆみさん    かねこ あゆみさん

伊丹市出身。高校卒業後、厩務員や牧場就職を目的とした職業訓練学校へ入学。職業訓練学校卒業後は御者、ホーストレッキングといった馬に関わる仕事をし、現在の京馬車では御者として約3年間勤務。※御者・・・馬をあつかう者。馬車に乗って、馬をあやつって走らせる者。
京馬車HP  http://www.kyobasha.jp/
京馬車Facebook  https://www.facebook.com/kyobasha.jp/

御者という職業を選択したきっかけを教えてください。

小さい頃から乗馬クラブに通っていて、馬が好きなんです。ただ、はじめから御者になろうとは考えてなくて、小さい頃、お父さんに競馬場へ連れていってもらったとき、競走馬がこけて足を骨折したんです。それを目の当たりにしたことがきっかけで、馬のけがを治してあげたいと思って、はじめは獣医さんになりたいと考えていました。だけど、大学受験に失敗し、進路を考え直したんです。その結果、厩務員や牧場へ就職するための職業訓練学校があるということを知り、そちらへ進学を決めました。訓練学校では、馬の世話やけがの手当方法、乗り方などを1年間学びました。そして、競走馬の調教助手や厩務員など仕事の選択肢が多くある中で「あなたにはこの仕事が合っていると思う」と先生から薦められ、御者を選びました。馬車などで活躍する馬は、身体は非常に大きく、性格は競走馬などに比べてとても温厚なんです。私自身、大きい馬が好きでしたし、この道に進もうと決めました。

訓練学校を卒業後ずっとこちらで働いているんですか。

最初は、鳥取砂丘で御者の仕事をしていました。就職のタイミングで募集があったんです。鳥取砂丘では約6年間、御者として働かせていただいていました。その後、事情により、一度御者の仕事を離れて、実家のある兵庫県伊丹市へ帰ったんですが、1年経ったくらいに「馬からこんなに離れてしまってはいけない」と思い、馬関係の仕事を探していたところ、亀岡市に馬車があることを知ったんです。それが、この京馬車でした。

亀岡市はどんなところですか。

亀岡市は、実際に来て、住んでみて、本当に気に入っています。私は田舎がもともと好きなんです。でも、田舎すぎるのはだめで(笑)。亀岡市は自然いっぱいで、だけど、近くにはスーパーとかたくさんあって、生活にも困ることはないですし、実家にもすぐ帰れますし、私にとって本当に住みやすいんです。これからもずっとここに居たいと思っているほどです(笑)。

馬車観光の魅力を教えてください。

ここでは、トロッコ亀岡駅から保津川下りの乗船場までのコースと周遊コースがあります。現状は、保津川下りの乗船場まで行くのに、バスやタクシーも利用できます。でも、その移動は日常生活の移動手段とあまり変わりないですよね。その点、馬車は乗ること自体が観光目的になるくらい今の時代では珍しい乗り物で、観光気分をより盛り上げてくれるところが魅力のひとつだといえると思います。さらに、移動中は保津川下りをしている船とすれ違ったり、鳥の声や馬のパッカパッカと歩く蹄の音を楽しむことができるのも魅力ですね。小さいお子さんは馬がいるだけで「馬だ!」と喜んでくれますしね(笑)。

御者という仕事の魅力を教えてください。

なんといっても、大好きな馬と一緒に仕事ができるところですね。もちろんそれだけではなく、いろんなお客様と接することができるところも魅力です。ですから、毎日が単調なものにならず、変化のある日々を過ごすことができるんです。最近は、中国や台湾といった海外のお客様が非常に多いんです。平日だと、お客様の半数以上が海外の方だったりしますね。トロッコも海外の方で貸切状態になっていて、日本じゃないみたいですよ(笑)。

今後の目標をお聞かせください。

この京馬車としては、現在6頭の馬がいるんですけど、さらに頭数を増やし、たくさんのお客様に利用いただける体制を整えたいですね。トロッコや保津川下りの年間利用率と比較しても、馬車はまだまだ十分に利用してもらえていないんです。そこで、利用促進の取り組みのひとつとして、昨年から京馬車のFacebookを利用して新しい無料サービスを始めました。この無料サービスでは、馬車のコース上に設置してあるカメラで撮影、その写真をなるべく当日夕刻にはFacebook上に公開して、ご利用のお客様に自由にダウンロードして頂けるという趣旨のものになっています。こうした利用促進活動を今後増やしていきたいですね。あと、これは個人的な目標なんですが、最終的には自分で馬を飼いたいです(笑)。今後もずっと馬に関わって仕事をしていけたらいいなと思っています。

(取材:平成28年3月)

※掲載している記事の内容及びプロフィールは取材当時のものです。

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