
地域の宝を最大限に活かし、
地域循環を活性化する!

地域循環を活性化する!
兵庫県丹波市市島町出身。コモ-レ丹波の森ショッピングタウン内で店舗経営。市内経済活性化を図るプレミアム商品券発行の仕掛け人、たんば商業協同組合理事長。「奇跡の小豆 白雪大納言」の農事組合、丹波白雪大納言生産組合 組合長や、丹波市の提言有識者としても様々な肩書きを持つ。
丹波三宝について教えてください。
丹波市が、平成25年に観光分析調査を実施し、市外の人の認知度・関心度が高かった「丹波栗」「丹波黒大豆、黒枝豆」「丹波大納言小豆」の3つを、対外的に発信していく中核となる特産品をスターコンテンツとして位置づけました。丹波三宝もその3つを指しています。
なぜ丹波三宝と呼ぶようになったのですか?
丹波市が、スターコンテンツ事業の一環として、事業者さんなどが参加して盛り上げていくクラブ活動のようなものも始動し、その活動に途中から誘われて、私も参加することになりました。参加させていただいてから、この活動は丹波市において基幹産業になりうる会にしていく必要があると思い、昨年あたりから特に力を入れてきました。その中で、スターコンテンツといっても、どこかピンとこない部分があって、名前の見直しをお願いしたんです。やはり名前は大事で、耳触りが良く、一発で丹波のイメージを掴めて、PRに繋がりやすいものでないといけないと思うんです。実はこの「丹波三宝」は私が命名した名前なんですよ。(笑)

丹波三宝推進協議会では、どのような事業を行っているのですか?
三宝である「丹波栗」「丹波黒大豆、黒枝豆」「丹波大納言小豆」はすべて旬のものなんですね。まあ、小豆は少し時期がずれますけど、栗、黒豆っていうのは秋の旬で、その瞬間しか食べられないものです。それをPRするには極端に時期が短すぎますよね。紅葉なんかもそうですが、本当にあの1~2週間の時期だけなんです。藤の花でもそうですし。自然のものっていうのは、瞬間的なインパクトはあるんですが、瞬間的な集客にしかならないっていう部分があります。素材は本当に素晴らしいので、うまく活用して、なんとか通年でPRできるものを作ろうと、そういった想いで丹波三宝推進協議会を立ち上げました。
三宝(素材活用)といえば、スイーツの印象が強いのですが。
そうですね、これらの素材は生産量が限られているんですよ。生で出荷されるのはもちろんある程度仕方ないんですが、いかに限られた素材を膨らまして、加工品として、PRできるかが重要なんです。どんどん生産者も少なくなっていますしね。生産者の方が、一生懸命作ったものを、どれだけ活かしきれるか。そこを我々はしっかりと研究しなくてはならない。生産者の想いも伝えていかなくてはならないんです。
その活用方法の一つとして、現在スイーツを推進しています。協議会に加入いただいている和菓子店さんの中には、跡継ぎの若い方も沢山いらっしゃいます。そういった方たちと洋菓子店の方と情報交換をしているうちに、自然と幅広い年代層のアイデアなんかも生まれてきます。和菓子中心にやっていると、どうしても伝統を守る意識が強くなる傾向にあります。そこに、こうした情報交換の場があることによって、アイデアに幅がでてきます。伝統はもちろん素晴らしいです。ですが、同じ素材を使い、さらに新しいインパクトのあるものを作っていけるなら、なお良いですよね。逆も同じです。





「生産者の想いを」と思われたのには何かきっかけがあるんですか?
実際に農業を経験しているからだと思います。本当に何も分からないところから、農業をやったんです。農業はやってみるとわかりますけど、すごく孤独なんですよ。何が起こるか分からないし、絶対に諦めないといけないことっていうのが頻繁にあります。芽が出なかったら、諦めないといけないし、天災などがあっても同じですよね。純粋に、この仕事はすごいと感じました。当時、私を気にかけてくださる農家さんが知り合いにいたので、自然と情報交換ができていたんですが、お一人で苦労を抱えていらっしゃる農家さんも山ほどいます。「今年はこういうのがあるよ」だとか、「こういうもの作ってみよう」とか、農家同士でさえ話し合える仲間がどんどん少なくなっています。このままではいけないなと思いましたね。こうした現状を知って、生産者と共に加工業者も一緒になって農家を守っていこうという体制を整える必要があると感じたんです。そのためには、加工業者さんの声が必要なんです。「加工業者さんがこんな食材を欲しがっている」という話を聞いた生産者が年月をかけて作る、そして、加工業者が、生産者に対して「良い物作ってくれはった」と労いの言葉をかける、そんな交流で張り合いも違うと思うんです。必要とされていると感じるだけでも、農家さんのやりがいも違うと思いませんか。長年かけて素晴らしい技術を持った方たちばかりですから。
自分の作る食材が使われる喜び、人との繋がり、この想いが生産者まで行き渡るようにしたいんです。生産者と加工業者が協力しあって、丹波の宝をPRしていく、イメージアップ、ブランド化していく、そういうことが循環的で大切なことだと思います。地元のものをPR素材として、活用するためには、親しまれるネーミング、新しさ・インパクト、そして、それに携わる人間の繋がりが必要なんです。いろんな人が関わってやっていかないと、ブランドになっていかないんですよ。
畑さんが思う丹波の魅力は?
「ひと」ですね。ひとの「穏やかさ」。「穏やかさ」っていうのは、内面や信念に自信があって初めて滲み出るものだと思うんです。そして、丹波人は皆その「穏やかさ」がある。真に地元愛を守り続ける心、それをみなさんお持ちなんじゃないかな。
今後の展望をお聞かせ下さい。
丹波三宝の素材を使った心打つような新商品を開発して、純粋にみなさんに喜んでもらいたいですね。そして、その背景なんかも知っていただいて、感動をしていただきたい。また、今後は、スイーツだけではなく、飲食店、生産者様などにも丹波三宝協議会の輪を拡大していって、丹波三宝のブランド、イメージアップを図っていけたらいいなと思います。
(取材:平成29年8月)
