黒井城から丹波市を全国へ!

黒井城跡地域活性化委員会委員長
吉住 孝信さん    よしずみ たかのぶさん

丹波市春日町出身。これまでに、上ゲ町、春日町黒井区、春日町黒井地区、
春日地域の自治会長を務める。
2018年4月黒井城跡地域活性化委員会の委員長に就任。

黒井城跡地域活性化委員会について教えてください。

2018年4月19日に大河ドラマ「麒麟がくる」放送決定の公表を受けて地元の有志で、地元の活性化のために何かできないかということについて話し合いました。やはり誰かが先陣を切って、また地元住民自体が盛り上がらないとだめだろうということで、黒井城跡地域活性化委員会を4月27日に立ち上げました。それがこの委員会の始まりですね。

委員会設立当初どのような思いでしたか。

丹波の赤鬼の異名を持つ赤井(荻野)直正が居城とする黒井城は波多野秀治の八上城と共に、明智光秀の猛攻を何度も退けた堅城で、やはりその黒井城を盛り上げる、そんな委員会を、という話だったんですが、黒井城から春日地域ひいては丹波市全体をもっともっと盛り上げようという意味も込めて、委員会名の中に「地域」という文言を入れました。この大河ドラマ決定を機に、丹波市全体がもっともっと活性化していく、その起爆剤に少しでもなれればという思いでしたね。

設立から約8ヶ月経ちましたが、感触はいかがですか。

徐々に浸透してきたのかなという感じがしますね。ただ、全国的にもそうですが、地域的に少子高齢化が顕著となっている中、町自体も空き家などが多くなり、どんどん寂しくなっていますよね。そういう環境であることは確かですので、地域おこしを主体的に考え、我々が行う活動が少しでも各種団体のやる気につながればいいと思っています。また、地元はもちろんですが、重要なのは市外の京阪神方面ですよね。丹波市長がよく丹波市を「トカイナカ」と言いますが、この都会に近い立地を最大限活かさなくてはもったいない。活かすということは、たくさんのお客様に来ていただくということです。そのためには“おもてなし”が重要。“おもてなし”がいかにできるかということも含めて、この委員会の役目だと思っています。

黒井城跡 /明智光秀の丹波攻めを受けて果敢に戦った丹波の戦国武将赤井(荻野)直正の居城

具体的な取組について、教えてください。

はじめの取組の一つは7月に実施した「歴史講演会」ですね。まず、地域の皆さんに知っていただく、関心を持っていただくことが非常に大切ですからね。そう思い、当初50人を想定し、計画していたのですが、いざ蓋を開けてみると、120名という会場に入りきらないような状況になりましてね。その時点で、「あっ、地域の皆さんもかなり関心が高いんだ」ということを感じました。それもこの春日町だけでなく柏原町や山南町、さらには篠山市や福知山市からお越しになっている方も多くいらっしゃいました。この講演会を皮切りに、ボランティアガイドの皆さんが中心となって行う町歩きや高校や小学校の先生、生徒さんと一緒になって行う歴史勉強会、観光協会主催のセミナーの実施、黒井城跡での甲冑姿の茶会開催など、様々な取組を進めているところです。

「ようこそお茶の国丹波へ」
(黒井城跡での甲冑武者のお茶会)

インターネット会議風景

アイデアを募るインターネット会議を実施されたという話も伺いました。

もともと丹波市青垣町にある移住定住促進を事業とする一般社団法人「Be(ビー)」から「東京のLIFULL(ライフル)という企画イベント会社のインターネット会議システムを使ってみてはどうか」と提案があったんです。実際に現地に来なくても全国と黒井で交流が図れる、そんなネット会議という発想すらなかったですからね。その時は「殻を破れそうだ」という気持ちになりました。結果的にアイデア合戦という形で実施し、500個を超えるアイデアが出てきました。やはり、直正関係のアイデアが多かったですね。キャラクターの関係とか。中には、「足が不自由で登れないけど雲海を見たい」という方からのロープウェイ設置の提案や、赤井直正の赤をとって、黒豆ならぬ赤豆を作ろうという提案もありました。地元だけでは発想に限界があると思いますので、この会議は非常に有意義で実りのある会議となったと思います。今後の活動に活かしていきたいですね。

丹波市の魅力について教えてください。

丹波市は、豊かな自然、歴史、文化に富んだまちです。澄みきった空気と豊かな自然に恵まれた、美しくて懐かしい田園風景が今も残されています。また、丹波の黒豆、丹波栗、丹波大納言小豆は「丹波三宝」と言われており、丹波の自然が育てた四季折々の豊かな味覚が楽しめます。

また、なんといっても、人です。人間的に優しい方が多いですね。優しくて朗らか。少々、引っ込み思案というか遠慮される部分はありますが、人情味溢れる方々が非常に多いですね。観光に来ていただいたお客様には、「おもてなしをしたい」という気持ちを皆さん必ずお持ちだと思いますので、そういった想いや気持ちを我々がリードしていければいいなと思います。

今後の展望やチャレンジしたいことなどお聞かせください。

地元だけでなく丹波地域外にどんどん発信していきたいですね。この黒井城は「続日本100名城」にもなっていますし、皆が楽しく安全に登れるよう行政とも協力して取り組んでいく必要があります。観光客の方の中には東京都や長野県、さらには北海道や九州といった様々な地域からお越しいただいています。この千載一遇のチャンスをしっかり活かしていきたいですね。とにかく、大河ドラマの放送に向けて、この黒井城を、丹波市を全国に発信できるようにしないと何の意味もないのでね。そのために、小さい力ではありますが、キラッと光るものを生み出したいですね。外から見て「おっ!?何かやっているな」ということが伝わればいいなと思っています。

(平成30年12月取材)

興禅寺/黒井城の下館として、光秀の重臣である齋藤利三が治めた。利三は妻子を呼び寄せ、そこで春日局(お福)が生誕する。3歳まで居住したと言われている。
※掲載している記事の内容及びプロフィールは取材当時のものです。

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