日本の原風景が残る
美山「かやぶきの里」

美山町観光協会 会長
神田 和行さん    こうだ かずゆきさん

京都・美山で、3代目店主として大正6年創業の料理旅館を営む。
鹿肉料理の開発に関わるなど、美山の観光振興に汗を流している。
*美山町観光協会 Web http://www.miyamanavi.net

南丹市の中で美山はどんな所ですか?

南丹市の北側にあり、京都府のほぼ中央に位置し、広大な面積の大部分を森林が占める自然豊かな場所です。メインとなる観光スポットは、何と言っても日本の原風景が残る知井地区の「かやぶきの里」ですね。国の重要伝統的建造物群保存地区であり、現在、38棟に及ぶかやぶき住居が現存し、美山を代表する観光地となっています。鉄道もなく、大きな道路もない美山町ですが、そのことが今となっては古き良き農村風景が残る要因となり、それが今、大きな町の魅力となっていると感じます。

神田さんにとって「かやぶきの里」が
人を惹きつける魅力は何だと思いますか。

1番の魅力はそこに「生活の匂い」がすることではないでしょうか。かやぶき住居は決して観光用に建てられたものではなく、今も実際に人が営みを行っています。都会では味わうことのできない空間であり、訪れた人は「落ち着く」とおっしゃる方が多いです。かやぶきの里を雪灯廊でライトアップするイベントでは、1千人を超える方に来ていただきました。最近ではIターンで移住してくる人も増えているんですよ。

また、京都市内から車で約1時間と近いことから、外国の観光客の方もたくさん訪れます。中にはインターネットで調べてくる外国人も多く、私は旅館を経営しているのですが、フランスからの観光客が長期滞在してくれました。かやぶき住居の民宿は予約で満室だそうです。世界の人を癒す何かがここにはあるんでしょうね。

その他のおすすめの場所も教えてください。

東西を由良川の源流となる美山川が横断し、アマゴやアユを求めて昔から釣り人がたくさん訪れます。大野ダム公園では春、1千本の桜が咲き誇り、私のお気に入りの場所でもあります。ダム湖は虹の湖と呼ばれ、紅葉や雪景色が見られる季節もおすすめです。
また、私は山が好きなのですが、美山にはトレッキングやハイキングをする場所が点在しています。特に京都大学の研究林として管理されている「芦生研究林」は一部を一般に開放しており、手つかずの広大な原生林を楽しめるガイドツアーも行っています。また、大自然が残る尾根筋を活用して「ロングトレイル」のコースも開発したいと考えています。

 

 

新しい観光の取り組みとして、
「西の鯖街道」を教えてください。

滋賀県を通る鯖街道は有名ですが、ここ美山町にも福井県の高浜町からおおい町を抜け、美山町、京都市京北を通る鯖街道が存在していました。昔の人は直線的に峠を越えたので、若狭の一番西にある高浜漁港の人たちは一番の近道である現在の国道162号線に該当する「周山(しゅうざん)街道」を通ったのです。このルートが一番西に位置することから「西の鯖街道」と呼ばれています。平成22年には府内で4番目、近畿で19番目の「日本風景街道」として登録されました。

ちょうど峠と峠の間にある美山は宿場町として栄えました。元々は薬屋だった当館も、大正8年に旅館として旅人を泊めるようになりました。今も残る大正12年の宿帳には魚商や小間物商の名が記され、街道を行き来した商人の足跡を感じることができます。山しかない美山ですが、鯖街道のルートだったため、「鯖のなれ寿司」が今でも郷土料理として各家庭で作られているんですよ。今では日本海の小浜市まで車で40分と近いことから、新鮮な海の幸が食べられることも魅力の1つですね。煮鯖をのせた「鯖そば」は西の鯖街道の名物料理となっています。

食べ物の話が出ましたが、美山には
美味しいものもいっぱいですね。

食材には季節ごとに事欠きません。春は山菜、夏は川魚やうなぎ、秋は松茸、冬はイノシシのボタン鍋と、旬の食材がいっぱいです。他にも風味と甘みが出る中低温殺菌で製造した「美山牛乳」や平飼いで育てた「美山地鶏のたまご」も自慢の逸品です。それらを使ったソフトクリームやシュークリームなどのスイーツも人気があるんですよ。また、新しい試みとしては鹿肉料理の提供も現在8店舗で行っています。ヘルシーで鉄分が多い鹿肉は女性に好評で、ぜひ食べに来てください。

(取材:平成26年2月)

※掲載している記事の内容及びプロフィールは取材当時のものです。

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