歴史と文化が重なり合う
篠山のまちなみ

丹波篠山観光協会 会長
中西 薫さん    なかにし かおるさん

開館45周年を迎えた丹波古陶館の3代目館長を務める。
専門の芸術分野を生かしたまちづくりで、篠山を盛り上げている。
*丹波篠山観光協会 Web http://tourism.sasayama.jp/association/

篠山市の魅力は、
どこにあると感じていますか

「小京都」「日本の原風景」と呼ばれる“まちなみ”と、「丹波黒大豆」「丹波松茸」に代表される“農の恵み”。この2つが大きな観光の柱となっています。これは「丹波篠山ブランド」として、外部から高く評価して頂いており、地元住民にとって大変誇りに思っています。

篠山と言えば、城下町のイメージが強いですが…。

篠山城跡を中心に近世に作られた城下町エリアは、山陰道の要衝として大変賑わった場所で、古い町屋がたくさん残され、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。丹波古陶館のあるこの「河原町妻入商家群」や「武家屋敷」など、歴史的な建造物が今でもたくさんあります。さらに、宿場町・農村集落ののどかなまちなみが残る「福住地区」も平成24年に重伝建地区に指定されました。1つの町に、城下町・宿場町・農村集落と2つの重伝建地区があることはとても凄いことだと思っています。城下町だけでなく、商家群、農村の田園風景と歴史あるまちなみが連続して語られることに魅力を感じます。最近では古民家を改装したオシャレなお店がオープンしているので、若い観光客の方も増えています。

まちなみを活かした観光が中心となるのでしょうか?

これらの美しいまちなみや景観は先祖が残してくれた貴重な財産であり、強みだと思っています。また、京文化の影響を色濃く受けていることから、「篠山春日能」や「鉾山巡行」などの伝統文化も数多く受け継がれています。また、私の専門分野である「丹波焼」は800年もの伝統があり、最近では移住される芸術家も多いんです。篠山は芸術文化を受け入れる土壌があると思っています。こうした歴史あるまちなみと文化がふれあえる空間づくりが大切だと考えています。 平成21年と平成22年、平成24年に開催した「丹波篠山・まちなみアートフェスティバル」は、町屋を生かす新しい祭典として、多方面より注目を集めました。私も実行委員長として関わりましたが、元々は町屋という伝統的空間に現代のアートを飾ることで、地元の方に身近に芸術を感じてもらおうという試みでした。しかし、遠方からもたくさんの観光客が訪れて頂き、特に今まで篠山に訪れることが少なかった30代、40代の若年層が足を運んでくれたことには驚きでした。「まちなみ保存」と「芸術文化」が融合したこの企画は篠山の観光に新たな光を当てたと思っています。今後は隔年開催(ビエンナーレ)にて継続し、第4回は今年の9月と定めて準備を始めています。 さらに、昨年は京都丹波に優れた多くの美術作家が在住されていることから、大丹波「京都、兵庫地域」の個性あふれる作家7名による展覧会【まちなみアート「丹波の國“芸術作家”展」】をプレイベントとして企画しました。この文化交流もまた、継続させたいと考えますし、大丹波エリアでの連携を深めることにより、さらなる魅力を発信していきたいです。

丹波古陶館の館長である中西さんに
「丹波焼」の魅力を教えてください。

1番の魅力は「素朴さ」ですね。窯が開かれてからおよそ800年、六古窯の1つに数えられる「丹波焼」は一貫して生活の器を主体に今日まで焼き続けてきました。丹波杜氏が活躍したこともあり、徳利が多いのも特徴です。「丹波焼」は常に風土が育んできた焼き物であり、身近にふれあえる温かみが「素朴さ」だと感じています。今田地区を中心に50軒以上の窯元があるので、窯元見学もおすすめです。

最後に中西さんの
お気に入りの場所はどこですか?

古墳時代に築造された「雲部車塚(くもべくるまづか)古墳」を望む篠山の里山が好きですね。篠山は決して近世だけの町ではなく、古代から中世、戦国時代には明智光秀と戦った波多野氏の八上城跡と、歴史が積み重なって今のまちなみがあり、歴史の深さを教えてくれる場所です。のどかな田園風景に夕日が沈む姿は、篠山を象徴する景観だと思います。

また、大丹波との連携で言えば、「篠山街道」と呼ばれた京都府亀岡市、南丹市から続く現在の国道372号線も観光素材として活かせるのではと考えています。源義経率いる平家追討軍が一の谷へ向かった歴史的な街道であり、先に挙げた重伝建地区の「宿場町福住」などもあるので、魅力的な観光ルートとして開発できると思います。みなさんも、綿々と受け継がれてきた篠山の厚みのある歴史と文化を触れに、ぜひ遊びにお越しください。

(取材:平成26年2月)

※掲載している記事の内容及びプロフィールは取材当時のものです。

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