地域資源の有効活用 循環型
まちづくりを目指して

株式会社ゆめの樹野上野
野花 友規さん    のばな ゆうきさん

丹波市出身。高校卒業後、丹波市職員として働く。
平成28年3月、同市を退職し、(株)ゆめの樹野上野へ。

ゆめの樹野上野公式サイト http://yumenoki-nokono.jp/

はじめに、御社の沿革や事業内容などについて教えてください。

経緯からご説明させていただきますと、野上野自治会が丹波市の一般廃棄物処理施設(クリーンパーク丹波)を誘致し、これを契機としまちづくりを推進していくために、「野上野まちづくり協議会」が結成されました。そして、「野上野 循環型まちづくり計画」を策定し、具体的な取組みが進められている中で、野上野自治会が抱えている課題の改善とともに、今後見舞われるであろう事象をできる限り回避し、野上野自治会内の地域資源を有効活用することで、経済効果をもたらす収益性と活性化につながる公益性をも担った、経営視点の自治会法人を設立し「野上野 循環型まちづくり」の一役を担おうと、この株式会社ゆめの樹野上野が設立されたんです。

この会社では、観光農園跡地への丹波栗植栽やその管理運営、荒廃化する農地の活用事業、観光資源の活用事業体験イベント企画や地域農産物を使った加工品の開発などを事業として活動をしています。そして、この夏、先月ですね、かねてより計画をしておりました拠点施設をオープンしたところです。

野花さんはもともと丹波市で勤務されていたそうですね。

はい。今年の3月まで勤務していました。

退職された理由をお伺いできますか?

ここ、丹波市春日町野上野は私が生まれ育った場所です。この野上野で自治会が出資し、株式会社を設立したという話はもちろん私の耳にも入りました。そして、この会社がどのような活動をしているのかを知り、その活動に非常に共感したといいますか、自分も同じような思いを抱いていたことが丹波市退職への大きなきっかけになりましたね。

どんな思いを抱いていたのですか?

この地域では、昔から田んぼを耕して生活しているところが多く、私の家も含め、ご近所でも多くの世帯が田んぼを保有しています。しかし、高齢化が進む中、どんどん田んぼが遊んできて(遊休化してきて)、今後作り手がいなくなってしまう事態に陥ってしまうのではないかという思いを抱いていました。そんなときに、この会社が設立され、「地域の素晴らしい資源を活かし、将来を担う者へと受け継いで行くため」という活動方針を知って、自分と同じ方向を向いていると感じたんです。将来、自分自身がどれだけ田んぼを世話していけるのかもわからない状況の中で、この会社に入らせてもらうことで、得られる知識など、遊んでいる田んぼも含めて、何か有効活用できるのではないかと。それなら、市役所をやめてでも、いまこのタイミングで、少しでもこの会社の力になれたらと感じました。

拠点施設がオープンして1ヶ月ですが、いかがですか。

毎日のようにお客様には来ていただいています。ランチの短い時間だけではありますが、地元の方や遠方のお客様も、雑誌や新聞を見てお越しいただいており、非常にありがたい気持ちでいっぱいですね。

美味しそうなメニューばかりですね。人気商品はありますか?

夏の間は黒豆そうめんセットや黒豆そうめんと丹波の栗いなりセットですね。女性には、丹波のおむすびセットが人気です。

黒豆そうめんはユニークですね。

三輪そうめんってご存じですか奈良県の三輪地方で生産されているそうめんで、特産品なっているんですが、黒豆をこちらで生産し、それをそうめんの中に入れていただいています。おいしいですよ(笑)。

※黒豆そうめんメニューは時期によって栗そうめんなどに変わることがあります。

この施設では、体験もできるんですよね。

はい。丹波栗ようかん作り、モンブラン作り、丹波黒大豆わらび餅作り、丹波栗きんとん作り、のこのロール(ロールケーキ)作りといった体験ができます。この9、10、11月は予約もいただいています。是非、いろんな方に体験いただきたいですね。

他の施設とは、どのように差別化を図っていますか?

こういった施設では、価格中心の経営方針になりがちの部分が多いんですが、ここでは、出来るだけ“地元でとれたいいものを使う”というこだわりをもってやっています。つまり、他の施設と差別化を図るということではなく、ゆめの樹のコンセプトを貫いた方針でやらせていただくだけです。

こだわりをもった経営を行うことで、自分たちだけでなく、そのこだわりが丹波市全体に波及していけばいいかなと思っています。そうすることで、丹波市のものは本当にいいものだとみなさんにわかっていただけるきっかけになると信じています。

今後の展望をお聞かせください。

“循環型のまちづくり”を野上野の中で作りたいという思いがありますので、多くの住民の方にいろんな面で携わっていただき、生産したものを外へむけて発信していく、そして、それが様々な形で使用、利用され、また野上野に入ってくる、といったような循環したまちづくりを野上野の中でつくっていくことが、将来へ向けての最終的な目標になりますので、それに向けて一歩ずつ進んでいけたらと思っています。

野花さん自身の今後に抱く思いを教えてください。

市役所を退職したことは全く後悔していません。市役所でもやりがいのある仕事をさせていただいていましたが、それ以上に今自分がやりたいこと、やっておかなければならないと思うことを優先に考えた結果、今動き出さないと、定年を待ってからでは遅いと思ったんです。

市役所に勤務していた頃は、家に田んぼも畑もあるが、どちらかというとほったらかしでした。この会社で働くことで、生産するための知識が、また自分自身の生活に活かしていくことができる。また、そういった知識を同世代や自分より若い世代に少しずつ伝えていくことができれば、もう一度“みんなでやろう”という空気になっていくのではないかと思うんです。そんな野上野のまちづくりを夢みて、今後も頑張っていきたいと思います。

(取材:平成28年9月)

※掲載している記事の内容及びプロフィールは取材当時のものです。

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